5 股関節の仕組み
6 股関節後方脱臼・骨折 (こかんせつこうほうだっきゅう・こっせつ)
7 股関節中心性脱臼 (こかんせつちゅうしんせいだっきゅう)
8 外傷性骨化性筋炎 (がいしょうせいこっかせいきんえん)
9 変形性股関節症 (へんけいせいこかんせつしょう)
10 ステム周囲骨折
11 股関節唇損傷 (こかんせつしんそんしょう)
12 腸腰筋の出血、腸腰筋挫傷 (ちょうようきんざしょう)

 

先に説明した股関節後方脱臼・骨折は、dashboard injuryを原因とすることが多いのですが、中心性脱臼は、転子部の強打、つまり、側方からの外力が加わることで発症しています。

交通事故では、自転車・バイクVS自動車の衝突で、自転車・バイクの運転者に多発しています。

 

関節包が破れることは少ないのですが、臼蓋底骨折により、大腿転子部は陥没します。

一般的な治療としては、大腿骨の遠位部を力点とし、10数kgの重りで4週間の直達牽引を行います。

これにより、大腿骨を臼蓋底から引っ張りだし、臼蓋底骨折部が自然に癒合するのを待つのです。

長くても、4~6週間でリハビリテーションに移行できます。

 

外傷性股関節脱臼には、後方脱臼、中心性脱臼以外にも、前方脱臼があります。

前方脱臼では、関節包前面を損傷し、大腿骨頭骨折や大腿骨頭靱帯断裂、大腿動脈損傷、大腿神経損傷を合併することが多くあります。

 

股関節中心性脱臼における後遺障害のポイント

 

1)脱臼骨折ですから重症例なのですが、ボールのように丸い大腿骨頭が、お椀状の受け皿である寛骨臼蓋底をピンポイントで突き破ったものと想定してください。

直達牽引により、臼蓋底骨折部の骨癒合が良好に得られれば、骨頭壊死の可能性も低く、予後は良好で、後遺障害を残すこともありません。

 

2)骨頭壊死の可能性は低いとしても、近い将来の変形性股関節症や骨化性筋炎は予想されます。

3DCT、MRIで骨癒合を立証して、それらに備えなければなりません。

 

変形性股関節症が認められれば、股関節の機能障害として10級11号が認定されます。