2 外傷性頚部症候群の神経症状について

 

哺乳類は、くびの長さに関係なく、キリンからカバに至るまで7個の頚椎を有しています。
参考までに、例外のナマケモノは9個の頚椎を有し、頭部を270°まで回転させることができます。

頚椎、cervical spineは、Cで表示、C1~C7と呼びます。
さて、人間の頚椎も7つの椎体で構成されており、頭部を支える役目を有しています。
外傷性頚部症候群の神経症状とは、左右いずれかの頚部、肩、上肢から手指にかけての痺れです。
外傷性頚部症候群で注目すべきは、C5/6、C6/7の神経根に限られています。
脊髄から枝分かれをしたC5/6、C6/7の左右2本の神経根は、左右の上肢を支配しているからです。
C5/6右神経根が圧迫を受けると、右手の親指と人差し指に、C6/7では、薬指と小指に痺れが出現します。
XPやCTは骨を見るためのもので、神経根が確認できるのは、MRIだけです。

受傷後に撮影したMRIで、C5/6/7の神経根の通り道が狭まっているか、
明確に圧迫を受けているか、
これらが確認できたときは、自覚症状に一致した画像所見が得られたことになります。
MRIで注目すべきは、C5/6とC6/7です。

 

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