65 足根骨の骨折 足根管症候群 (そっこんかんしょうこうぐん)

61 足根骨の骨折 距骨骨折 (きょこつこっせつ)
62 足根骨の骨折 右踵骨不顕性骨折(みぎしょうこつふけんせいこっせつ)
63 足根骨の骨折 踵骨骨折 (しょうこつこっせつ)
64 足根骨の骨折 距骨骨軟骨損傷 (きょこつこつなんこつそんしょう)
65 足根骨の骨折 足根管症候群 (そっこんかんしょうこうぐん)
66 足根骨の骨折 足底腱膜断裂(そくていけんまくだんれつ)
67 足根骨の骨折 足底腱膜炎(そくていけんまくえん)
68 モートン病、MORTON病
69 足根洞症候群 (そっこんどうしょうこうぐん)
70 足根骨の構造
71 足根骨の骨折 ショパール関節脱臼骨折
72 足根骨の骨折 リスフラン関節脱臼骨折
73 足根骨の骨折 リスフラン靱帯損傷
74 足根骨の骨折 第1楔状骨骨折 (けつじょうこつこっせつ)
75 足根骨の骨折 舟状骨骨折 (しゅうじょうこつこっせつ)
76 足根骨の骨折 有痛性外𦙾骨 (ゆうつうせいがいけいこつ)
77 足根骨の骨折 舟状骨裂離骨折 (しゅうじょうこつれつりこっせつ)
78 足根骨の骨折 立方骨圧迫骨折(りっぽうこつあっぱくこっせつ)=くるみ割り骨折
79 足根骨の骨折 二分靱帯損傷 (にぶんじんたいそんしょう)
80 足根骨の骨折 踵骨前方突起骨折 (しょうこつぜんぽうとっきこっせつ)

上肢の外傷に、よく似た傷病名で手根管症候群があります。

これは、上肢を走行する正中神経が、手根管のトンネル部で圧迫、締め付けられたことにより、麻痺したもので、交通事故では、橈骨の遠位端骨折や月状骨の脱臼に合併して発症しています。

 

足根管症候群も、手根管症候群と同じく、絞扼性神経障害で、後𦙾骨神経が麻痺する症状です。

𦙾骨神経は、下腿から足の方へ向かって走行、足の内くるぶしの付近で枝分かれをして、足の裏の感覚を支配しています。

内くるぶし付近では、足根管というトンネルが存在して、後𦙾骨神経がその中を通り、交通事故では、𦙾骨内果・距骨・踵骨の骨折や脱臼に合併して発症しています。

 

症状は、足趾や足底部の痺れ感や疼痛を訴えるのですが、痛みの領域が足首以下に限定され、かかとや足関節、足裏に痛みが生じていること、足の母趾の底屈不能、痛くて眠れないほど夜間に痛みが増強するが、足の甲には痛みやしびれが出現しないというのが典型的な症状です。

 

足根管部に圧痛や放散痛が認められ、皮膚の表面から軽く叩いただけで、極めて激しい痛みが放散するチネルサインも陽性となります。

神経の障害ですから、後𦙾骨神経が支配している筋肉の筋電図をとると異常が認められます。

 

治療としては、保存的に、ステロイド剤の巨区部注射、鎮痛消炎剤の内服、足底板の装用、安静で改善を見ることもありますが、効果が得られなければ、屈筋支帯を切離し、神経剥離術を実施します。

手術は、整形外科・スポーツ外来、専門医の領域です。

予後は良好であり、絞扼性神経障害では、後遺障害を残すことは稀な状況です。

 

足根管症候群における後遺障害のポイント

 

交通事故では、𦙾骨内果・距骨・踵骨の骨折や脱臼に合併して、このトンネルが圧迫を受け、足根管症候群を発症しています。

したがって、後遺障害の本線は、脛骨、距骨、踵骨の骨折後の変形、疼痛、可動域制限となります。

足根管症候群は、治療で治癒することを目指します。

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