60 足根骨の骨折 外傷性内反足 (がいしょうせいないはんそく)
48 足関節の構造と仕組み
49 右腓骨遠位端線損傷 (ひこつえんいたんせんそんしょう)
50 右足関節果部骨折 (そくかんせつかぶこっせつ)
51 足関節コットン骨折(三果部骨折)
52 アキレス腱断裂
53 アキレス腱滑液包炎 (あきれすけんかつえきほうえん)
54 足関節不安定症 (そくかんせつふあんていしょう)
55 足関節に伴う靱帯損傷のまとめ
56 足関節離断性骨軟骨炎 (あしかんせつりだんせいこつなんこつえん)
57 右腓骨筋腱周囲炎 (みぎひこつきんけんしゅういえん)
58 変形性足関節症 (へんけいせいそくかんせつしょう)
59 足の構造と仕組み
60 足根骨の骨折 外傷性内反足 (がいしょうせいないはんそく)
足の裏が内側を向き、外側部だけが地についている状態を内反足と言います。
先天性のものが圧倒的多数ですが、交通事故外傷でも発症しています。
足関節の捻挫に伴って発症するものに、短腓骨筋腱縦断裂があります。
足の捻挫のあと、いつまで経っても外果(外くるぶし)の後部に疼痛があるときは、短腓骨筋腱断裂が疑われるのです。
上図は、オレンジ色が短腓骨筋、青色が長腓骨筋で、どちらも、足首を外へ返す働きをしています。
○印は、外果の後部ですが、そこでは、長・短腓骨筋腱が並んで走行しています。
足首を内側に捻挫したとき、短腓骨筋腱は、長腓骨筋腱と外果の骨である、腓骨の間に挟まり、ストレスがかかり、縦に断裂することがあります。
また、短腓骨筋腱が外果の後ろで亜脱臼して、縦に断裂することもあります。
外果の後ろで、短腓骨筋腱が断裂したときは、外果の後部が腫れ、疼痛を発症します。
内反足は、外反扁平足とは逆の、「く」の字の変形をきたします。
足の内返しとともに尖足(せんそく)を伴うことも多くあります。
※尖足(せんそく)とは?
足の変形の一種であり、足の甲側が伸び、足先が下垂したまま元に戻らなくなった状態です。
踵(かかと)を地面につけることができないので、足先で歩くことになり、体幹の支持機能に悪影響をおよぼします。
懸念されるのは、足関節が内反位にあるため、外果の捻挫が多発して、近い将来、変形性足関節症に発展する可能性が高いことです。
外傷性内反足における後遺障害のポイント
外傷性内反足による後遺障害は、等級認定表に定めがない
足部の後遺障害は、足趾の欠損もしくは用廃、足関節の機能障害が規定されているだけです。
足関節に運動制限は認められない場合、
政令別表の規定により、他の後遺障害に準じて等級の認定を求めることになります。
外傷性内反足により、日常の生活でどのような支障が認められるのかを丹念に立証していかなければなりません。