1 頭部外傷 頭部の構造と仕組み
2 頭部外傷 高次脳機能障害認定の3要件
3 頭部外傷 左下顎骨骨折、左頬骨骨折、左側頭葉脳挫傷
4 頭部外傷 左側頭骨骨折・脳挫傷
5 頭部外傷 急性硬膜外血腫
6 頭部外傷 前頭骨陥没骨折、外傷性てんかん
7 頭部外傷 びまん性軸索損傷
8 頭部外傷 脳挫傷+対角線上脳挫傷=対側損傷
9 頭部外傷 外傷性クモ膜下出血
10 頭部外傷 外傷性脳室出血
11 頭部外傷 急性硬膜下血腫
12 頭部外傷 慢性硬膜下血腫
13 頭部外傷 脳挫傷+頭蓋底骨折+急性硬膜下血腫+外傷性くも膜下出血+びまん性軸索損傷
14 高次脳機能障害チェックリスト

1)第1段階の立証

□ まず、入口部分の3要件を満たしているかをチェックします。

  意識障害 傷病名 画像所見 高次脳機能障害
1
2 ×
3 ×
4 × × × ×

3要件では、意識障害所見の立証が最も重要です。
軽度な意識障害、健忘では、医師のチェックもおろそかで、毎回、この立証で苦労しています。
意識障害の立証を怠ると、その他の全てが立証できても、高次脳機能障害の認定はありません。

☐ 傷病名
傷病名が脳挫傷、びまん性軸策損傷、びまん性脳損傷、急性硬膜外血腫、急性硬膜下血腫、外傷性クモ膜下出血、脳室出血であること。 
骨折後の脂肪塞栓で呼吸障害を発症、脳に供給される酸素が激減した低酸素脳症も含みます。

☐ 上記傷病名が、XP、CT、MRIで確認されているか
局所性の損傷 MRIのT2FLAIRで脳萎縮、脳室拡大の進行が確認できること。
びまん性軸索損傷の点状出血は、急性期であれば、MRIのDWI:ディフージョン、症状固定時期であれば、MRIのT2スターで陳旧性の出血痕が確認できていること。
立証ができていなければ、主治医と面談の上、新たな撮影を依頼しなければなりません。

2)第2段階の立証

次に、3要件の立証が終われば、その後に行う神経心理学的検査のメニューを決定する必要から、日常生活における支障(遂行障害・失語、記憶障害、視覚認知機能・失認・失行、注意、遂行機能障害、情動障害、人格変化等)について、具体的かつ詳細な内容をご家族から聴き取ります。

3)第3段階の立証

先の聴き取りの結果をもとに、以下の28項目ある神経心理学的検査の中から最適な組み合わせを考え、主治医にそれらの検査の実施をお願いしています。

1 ミニメンタルステート検査、MMSE
2 長谷川式簡易痴呆スケール、HDS-R
3 ウェクスラー成人知能検査 (WAIS-R) 
4 コース立方体組み合わせテスト、Kohs
5 ウィスコンシン・カード・ソーティングテスト、WCST
6 Tinker Toy Test
7 WAB失語症検査
8 標準失語症検査(SLTA)
9 老研版失語症鑑別診断検査
10 レーブン色彩マトリックス検査、RCPM
11 日本版ウェクスラー記憶検査、WMS-R
12 リパーミード行動記憶検査、RBMT
13 三宅式記銘力検査
14 ベントン視覚記銘検査
15 レイ複雑図形再生課題、ROCFT
16 街並失認、道順失認、地誌的記憶障害検査
17 抹消検査、模写検査
18 行動性無視検査、BIT
19 標準高次視知覚検査
20 トレイル・メイキング・テスト、TMT
21 パサート、Paced Auditory Serial Addition Task、PASAT
22 注意機能スクリーニング検査、D-CAT
23 標準注意検査法・標準意欲評価法、CAT・CAS
24 BADS、Behavioral Assessment of the Dysexecutive Syndrome、
25 100-7等の数唱
26 MMPI ミネソタ多面人格目録
27 CAS 不安測定検査
28 ロールシャッハテスト

高次脳機能障害のリハビリに取り組んでいる指定病院であっても、メニューを示して、丁寧に検査をお願いしない限り、定番である以下の3つの検査が実施されるのみです。

1 ミニメンタルステート検査、MMSE
2 長谷川式簡易痴呆スケール、HDS-R
3 ウェクスラー成人知能検査 (WAIS-R) 

これでは、最も問題とされる障害を浮き立たせることはできません。
5級2号が然るべきであっても、7級4号や9級10号の認定となってしまうのです。

4)最終段階における立証

最終段階では、後遺障害診断書と神経系統の障害に関する医学的意見、そして、日常生活状況報告のドラフトの作成をする作業です。
完成したドラフトは、主治医のところに持ち込み、打ち合わせを行いながら、記載をお願いします。
日常生活状況報告では、検査結果と聴き取りの内容から、問題点を以下の4つにまとめます。

1 意思疎通能力
2 問題解決能力
3 持続力・持久力
4 社会行動能力