20 後縦靱帯骨化症 OPLL

1 背骨の仕組み
2 外傷性頚部症候群(がいしょうせいけいぶしょうこうぐん)
3 外傷性頚部症候群の神経症状について
4 バレ・リュー症候群と耳鳴り、その他の障害について
5 腰部捻挫・外傷性腰部症候群
6 外傷性腰部症候群の神経症状
7 腰椎横突起骨折 (ようついおうとっきこっせつ)
8 上腕神経叢麻痺 (じょうわんしんけいそうまひ)
9 中心性頚髄損傷
10 環軸椎脱臼・亜脱臼 (かんじくついだっきゅう・あだっきゅう)
11 上位頚髄損傷 C1/2/3 (じょういけいずいそんしょう)
12 横隔膜ペーシング
13 脊髄損傷
14 脊髄不全損傷=非骨傷性頚髄損傷
15 脊髄の前角障害、前根障害
16 脊髄の後角障害、後根障害
17 バーナー症候群
18 脊髄空洞症
19 頚椎症性脊髄症
20 後縦靱帯骨化症 OPLL
21 腰部脊柱管狭窄症
22 椎骨脳底動脈血行不全症 (ついこつのうていどうみゃくけっこうふぜんしょう)
23 腰椎分離・すべり症
24 胸郭出口症候群 (きょうかくでぐちしょうこうぐん)
25 複合性局所疼痛症候群 (ふくごうせいきょくしょとうつうしょうこうぐん) CRPS
26 低髄液圧症候群=脳脊髄液減少症= CSFH (のうせきずいえきげんしょうしょう)
27 梨状筋症候群 (りじょうきんしょうこうぐん)
28 線維筋痛症 (せんいきんつうしょう)

 

椎体の背中側で脊髄の前側には後縦靭帯が縦走し、椎弓の前側で脊髄の背中側には黄色靭帯が縦走しています。これらの靱帯で椎体骨は補強され、安定しているのです。
後縦靱帯骨化症とは、脊髄の前方に位置する後縦靱帯が肥厚し、骨化した結果、脊髄の走行している脊柱管が狭くなり、脊髄や脊髄から分枝する神経根が圧迫されて、知覚障害や運動障害などの神経障害を発症する疾患です。
交通事故で後縦靱帯が骨化することはありません。
後縦靭帯骨化症は頚椎に多く、黄色靭帯骨化症は、胸椎に多い疾患です。

中央部の縦に白い線が骨化巣です。

XP、CTで後縦靱帯の骨化巣が確認されたときは、疾患を否定することはできず、交通事故による後遺障害とは認められないことになります。
また、損害賠償請求においては、素因減額を主張されることになると思われます。
①画像所見で後縦靱帯骨化または黄色靱帯骨化が証明され、それが神経障害の原因となって、日常生活上支障となる著しい運動機能障害を伴うもの
②運動機能障害は、日本整形外科学会頚部脊椎症性脊髄症治療成績判定基準の上肢運動機能Ⅰと下肢運動機能Ⅱで評価・認定されており、頸髄症では、上肢運動機能Ⅰ、下肢運動機能Ⅱのいずれかが2以下、ただしⅠ、Ⅱの合計点が7でも手術治療を行うときは認められています。
胸髄症・腰髄症では、下肢運動機能Ⅱの評価項目が2以下、ただし、3でも手術治療を行うときは認められています。
上肢運動機能Ⅰ
0 箸またはスプーンのいずれを用いても自力では食事をすることができない
1 スプーンを用いて自力で食事ができるが、箸ではできない
2 不自由ではあるが、箸を用いて食事ができる
3 箸を用いて日常食事をしているが、ぎこちない
4 正常
※利き手でない側については、紐結び、ボタン掛けなどを参考とする。
※スプーンは市販品であり、固定用バンド、特殊なグリップなどを使用しない。
下肢運動機能Ⅱ
0 歩行できない
1 平地でも杖または支持を必要とする
2 平地では杖又は支持を必要としないが、階段ではこれらを要する
3 平地・階段ともに杖又は支持を必要としないが、ぎこちない
4 正常
※平地とは、室内または、よく舗装された平坦な道路
※支持とは、人による介助、手すり、つかまり歩行の支え
症状の程度が上記の重症度分類等で一定以上に該当しないが、高額な医療を継続することが必要なときは、医療費助成の対象とされています。

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