16 脊髄の後角障害、後根障害
1 背骨の仕組み
2 外傷性頚部症候群(がいしょうせいけいぶしょうこうぐん)
3 外傷性頚部症候群の神経症状について
4 バレ・リュー症候群と耳鳴り、その他の障害について
5 腰部捻挫・外傷性腰部症候群
6 外傷性腰部症候群の神経症状
7 腰椎横突起骨折 (ようついおうとっきこっせつ)
8 上腕神経叢麻痺 (じょうわんしんけいそうまひ)
9 中心性頚髄損傷
10 環軸椎脱臼・亜脱臼 (かんじくついだっきゅう・あだっきゅう)
11 上位頚髄損傷 C1/2/3 (じょういけいずいそんしょう)
12 横隔膜ペーシング
13 脊髄損傷
14 脊髄不全損傷=非骨傷性頚髄損傷
15 脊髄の前角障害、前根障害
16 脊髄の後角障害、後根障害
17 バーナー症候群
18 脊髄空洞症
19 頚椎症性脊髄症
20 後縦靱帯骨化症 OPLL
21 腰部脊柱管狭窄症
22 椎骨脳底動脈血行不全症 (ついこつのうていどうみゃくけっこうふぜんしょう)
23 腰椎分離・すべり症
24 胸郭出口症候群 (きょうかくでぐちしょうこうぐん)
25 複合性局所疼痛症候群 (ふくごうせいきょくしょとうつうしょうこうぐん) CRPS
26 低髄液圧症候群=脳脊髄液減少症= CSFH (のうせきずいえきげんしょうしょう)
27 梨状筋症候群 (りじょうきんしょうこうぐん)
28 線維筋痛症 (せんいきんつうしょう)
先に、頚髄前角部の損傷である前角障害、前根部の損傷である前根障害を説明していますが、本症例は、頚髄の後部に位置する後角部あるいは後根部が損傷したものです。
脊髄損傷のカテゴリーであり、ムチウチではありません。
後角部には、感覚性の神経細胞が多数集合しており、触覚、姿勢、痛み、温度などの感覚情報の信号を身体から脊髄に伝えています。
後根障害では、全ての感覚線維が障害されるが、温・痛覚障害を残すものの、触覚は侵されることが少ないと報告されています。
後根は、脊髄神経の内、感覚神経が脊髄に入り込む神経根であり、体性感覚または内臓感覚の情報がここを通って中枢にもたらされています。
後根が障害されると、身体の一部分の体性感覚が麻痺し、神経根痛を発症します。
※体性感覚とは
目・耳・鼻・舌などの感覚器以外で感知する感覚のことで、触覚、痛覚などの皮膚感覚、筋の収縮状態を感知する深部感覚、内臓の痛覚などを体性感覚と呼んでいます。