1 骨折の分類
2 脊柱の圧迫骨折
3 脊柱の圧迫骨折 変形障害
4 脊柱の圧迫骨折 運動障害
5 脊柱の破裂骨折
6 肋骨骨折
7 肋骨多発骨折の重症例 外傷性血胸
8 肋骨多発骨折の重症例 フレイルチェスト、Flail Chest、動揺胸郭
9 鎖骨骨折 (さこつこっせつ)
10 肩鎖関節脱臼 (けんさかんせつだっきゅう)
11 胸鎖関節脱臼 (きょうさかんせつだっきゅう)
12 肩甲骨骨折 (けんこうこつこっせつ)
13 骨盤骨折 骨盤の仕組み
14 骨盤骨折・軽症例
15 体幹骨・骨盤骨折・重症例

脊柱の圧迫骨折は、椎体の前方壁が楔状骨折するもので、多くは、脊髄神経には影響を与えません。
ところが、破裂骨折は椎体の前方の壁だけではなく、後方の壁も圧迫骨折しており、交通事故では、ほとんどのケースで、脊髄症状、麻痺、シビレ、脚の痛みなど、重篤な症状を示します。
これらは胸椎下部~腰椎上部に多く発生しています。

上記のイラストでは、グレード3の右側に匹敵するものです。

XP               MRI
通常はXPとMRI検査が実施されています。
骨の形が保たれていても、MRIでは輝度に変化があり、骨折と診断できます。
複数の椎体骨折であっても、MRIでは、陳旧性骨折なのか、新鮮骨折なのか、診断ができます。
交通事故による脊柱の破裂骨折では、ほとんどが、緊急手術による固定が選択されています。

 

骨粗鬆症が進行している高齢者の破裂骨折では、経皮的椎体形成術が行われています。
骨折した椎体の中に骨セメントを注入して椎体を安定させるというもので、椎体の中に挿入するものには、セメントのほか、リン酸カルシウム骨セメント、ハイドロキシアパタイト=骨の主成分のブロックなどがあります。

脊柱の破裂骨折における後遺障害のポイント

1)脊柱の破裂骨折では、多くが、受傷直後に緊急手術で固定されています。
固定術を受けていれば、11級7号は、ほぼ自動的に認定されますが、それ以上に、
著しい変形なのか、中程度の変形であるのか、つまり、6級5号、もしくは8級2号の可能性について、画像から検証することになります。
同じように、脊柱の運動障害の観点からも、アプローチをする必要があります。
2)脊柱の破裂骨折で固定術が実施される背景には、脊髄損傷を最小限にする目的があります。
術後の被害者の方に、上・下肢の麻痺、強烈な痺れ、上・下肢の疼痛、排尿障害など、重篤な脊髄症状が残存していれば、神経系統の機能障害で等級が認定されます。
障害の程度により、9級10号、7級4号、5級2号が選択されています。
膀胱機能障害は、併合の対象となります。
後遺障害の立証では、後遺障害診断書以外に、「脊髄症状判定用」 の用紙を提出し、肩・肘機能、手指機能、下肢機能、上肢・下肢・体幹の知覚機能、膀胱機能、日常生活状況について、検査と結果の記載を依頼しなければなりません。
排尿障害は、ウロダイナミクス検査で立証することになります。
事前に脊髄症状のチェックを行い、日常生活状況については、職業上の具体的な支障を記載した書面を主治医に提示します。