18 テニス肘=上腕骨外側上顆炎(じょうわんこつがいそくじょうかえん)・上腕骨内側上顆炎 (じょうわんこつないそくじょうかえん)
19 肘関節と手関節、橈骨と尺骨の仕組み
20 肘関節脱臼 (ちゅうかんせつだっきゅう)
21 肘頭骨折 (ちゅうとうこっせつ)
22 尺骨鉤状突起骨折 (しゃくこつこうじょうとっきこっせつ)
23 変形性肘関節症 (へんけいせいちゅうかんせつしょう)
24 肘内側側副靱帯損傷 (ひじないそくそくふくじんたいそんしょう)
25 橈・尺骨骨幹部骨折 (とう・しゃくこつこつかんぶこっせつ)
26 橈骨頭・頚部骨折 (とうこっとう・けいぶこっせつ)
27 モンテジア骨折
28 ガレアッチ骨折
29 橈骨遠位端骨折、コーレス骨折、スミス骨折
30 バートン骨折
31 ショーファー骨折=橈骨茎状突起骨折 (とうこつけいじょうとっきこっせつ)
32 尺骨茎状突起骨折 (しゃっこつけいじょうとっきこっせつ)

肘関節は、上腕と前腕を連結しており、上腕骨、橈骨、尺骨の3本の骨で構成されています。
前腕部の内側、小指側に尺骨、外側、親指側に位置するのが橈骨です。
肘関節の両側には、肘関節が横方向に曲がらないように制御している側副靭帯があります。
内側側副靱帯は、上腕骨と前腕の内側にある尺骨を、外側側副靱帯は、上腕骨と前腕の外側にある橈骨をそれぞれ連結しています。
交通事故では、自転車、バイクからの転落で手をついたときの衝撃が肘に作用して、内側側副靱帯を損傷しており、肘関節脱臼に伴うものと単独損傷の2種類があります。
内側側副靭帯損傷の症状は、受傷直後から肘の激痛と腫れが出現し、激痛のため、肘関節を動かすことができなくなります。
上腕骨内側上顆の下端に圧痛が認められ、外反位で疼痛が増強し、不安定性が認められます。
XPでは判別が難しく、MRI、エコー検査で確定診断がなされています。
治療は、2、3週間ギプス固定が行われ、その後は、ギプスをカットし、リハビリ運動が始まります。
外側側副靭帯損傷は、肘関節の脱臼に伴うものがほとんどですが、受傷後、時間が経過してから、肘の引っかかり感、外れそうになる感じ等が問題となります。
後外側回旋不安定テストを行い、肘が外れそうな感じ、クリック音を調べます。
小児の上腕骨外側上顆剥離骨折を伴う外側側副靭帯損傷では、骨片の整復固定術が必要です。
陳旧性の外側側副靭帯損傷に対しては、靭帯再建術が実施されています。
内側側副靭帯損傷は、野球の投球動作の反復によっても生じます。ボールを投げるとき、特に加速をつけるときは、肘の内側を伸ばす不自然な動作を行います。
それに伴って、内側々副靱帯は引き伸ばされることになります。
投球動作の反復により、内側々副靱帯は引き伸ばされ続け、肘に対する負担が大きくなり、側副靱帯が部分断裂するのです。ピッチャーにとっての職業病と言えます。
トミー・ジョン手術とは?
1974年、フランク ジョーブ博士が、ドジャースのピッチャー、トミー・ジョン選手の内側側副靱帯の断裂に対して行った手術で、有名となりました。
この手術後、トミー・ジョン選手は、170勝し、年間20勝以上を2回、果たしました。
現在、TJ術は、アメリカスポーツ医学研究所のジェームズ・アンドリュース医師が第一人者です。
TJ術とは、部分断裂した内側側副靱帯を摘出し、長掌筋腱を移植する術式です。

長掌筋は、手首を曲げる役目を果たしていますが、同じ働きを持つ筋肉は他にもあり、長掌筋を外しても、問題を残しません。握り拳では、手首に腱がむき出しとなるのですが、この腱が長掌筋の腱です。
再建した靱帯の定着に時間がかかり、術後は、長期のリハビリが必要となり、復帰には1年以上を要しますが、すでに、800人以上の大リーガーがこの手術を受けており、リハビリの技術が向上したところから、成功率も90%を超えています。

肘内側側副靱帯損傷における後遺障害のポイント

1)交通事故外傷の内側側副靱帯損傷は、軽度から中等度であれば、テーピングや短期間のギプス固定を行った場合、リハビリ期間も含めて3ヶ月もあれば、後遺障害を残すことなく治癒しています。
強烈な打撲で、靱帯が引きちぎられたときでも、靱帯縫合、ギプス包帯、その後のリハビリで改善が得られ、後遺障害を残すことはありません。
後遺障害の対象は、肘内側部の痛み、動揺性、機能障害です。
内側側副靱帯損傷が確定診断され、ギプス固定がなされたときでも、その後リハビリを促されず放置されたときは、肘関節の拘縮で機能障害を残すことがあります。