31 ショーファー骨折=橈骨茎状突起骨折 (とうこつけいじょうとっきこっせつ)

18 テニス肘=上腕骨外側上顆炎(じょうわんこつがいそくじょうかえん)・上腕骨内側上顆炎 (じょうわんこつないそくじょうかえん)
19 肘関節と手関節、橈骨と尺骨の仕組み
20 肘関節脱臼 (ちゅうかんせつだっきゅう)
21 肘頭骨折 (ちゅうとうこっせつ)
22 尺骨鉤状突起骨折 (しゃくこつこうじょうとっきこっせつ)
23 変形性肘関節症 (へんけいせいちゅうかんせつしょう)
24 肘内側側副靱帯損傷 (ひじないそくそくふくじんたいそんしょう)
25 橈・尺骨骨幹部骨折 (とう・しゃくこつこつかんぶこっせつ)
26 橈骨頭・頚部骨折 (とうこっとう・けいぶこっせつ)
27 モンテジア骨折
28 ガレアッチ骨折
29 橈骨遠位端骨折、コーレス骨折、スミス骨折
30 バートン骨折
31 ショーファー骨折=橈骨茎状突起骨折 (とうこつけいじょうとっきこっせつ)
32 尺骨茎状突起骨折 (しゃっこつけいじょうとっきこっせつ)

 

赤○は橈骨茎状突起、青○は尺骨茎状突起

ショーファー骨折とは、橈骨茎状突起部の手関節内骨折であり、運転手骨折とも呼ばれています。
交通事故では、運転手がハンドルを握った状態で骨折することが多く、この別名がついています。
自転車で横断中、自動車との衝突で、手のひらをついて転倒したときにも、この骨折が起こります。
受傷機転が、手関節の背屈・橈屈強制で起こり、茎状突起が舟状骨と衝突します。
よって、舟状骨骨折(項目46参照)も視野に入れて治療が行われています。

 

橈骨茎状突起部は、手関節を構成している骨であり、元通りの位置に整復されなければなりません。
それを理由として、現在では、ほとんどの場合、手術が選択されています。
しかし、交通事故による粉砕骨折では、手術であっても安定性が得られず、予後不良です。
つまり、変形性手関節症に発展する可能性が予想されるのです。

ショーファー骨折における後遺障害のポイント

1)骨折後の骨癒合が得られていても、手関節として整合性が保たれているか、この点を検証しなければなりません。
骨折部の骨癒合状況は、3DCTで立証します。
手関節のアライメントは、左右の手関節の背側・掌側のXP写真を比較しつつ検証します。
変形性手関節症は、受傷後の二次的障害です。
症状固定時には問題とならなくても、時間の経過で発展することが予想されます。
示談書には、将来の可能性と、そうなったときの対処法を明記しておかなければなりません。
2)当面の後遺障害の対象は、手関節の機能障害で、多くは、12級6号が認定されています。

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