6 食道の仕組み

 

咽頭部から食道に入った飲食物は、食道の壁が収縮するぜん動運動で胃まで運ばれ、お茶やジュースなどの飲み物は約1秒で、固形食物であれば5~7秒で食道を通過し、胃に到達するとされています。

飲食物は、重力によって、上から下に送り込まれているのではなく、食道が波打つようなぜん動運動によって、胃に運ばれます。

この運動により、寝転がっていても、逆立ちであっても、飲み込んだ飲食物が胃に到達するのです。

 

食道の上下両端には、安静時には閉鎖し、嚥下では緩む括約部=筋肉があります。

咽頭に近い上部括約筋は、飲食物の食道からの逆流を防止し、吸気時には、空気が胃へ流れ込まないように収縮しています。

胃に近い下部食道括約筋は、嚥下では、緩んで食物を胃に送り込みますが、平常時は、胃酸を含む胃の内容物が逆流しないように締めつけています。

 

人は、舌を変形させ、左右の歯で噛めるよう食物の移動を行い、噛むことで、食物と唾液とを充分に混ぜ合わされ、飲み込みやすい食物の塊を作っています。

口の奥にある咽頭の入り口部分には、食道へ向かう管と、空気を肺へと送る気管との分岐点があります。ここから、胃の入り口までが食道で、体のほぼ中央、脊椎骨の前側に位置しています。

頚部食道は気管に接しており、胸部食道の近くには肺や心臓、心臓からでている大動脈、横隔膜など、生命の維持に重要な臓器があります。

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