50 キーンベック病=月状骨軟化症 (げつじょうこつなんかしょう)

42 手の仕組み
43 右手首の腱鞘炎と前腕部の炎症
44 手根骨の骨折 有鈎骨骨折 (ゆうこうこつこっせつ)
45 手根骨の骨折 有頭骨骨折(ゆうとうこつこっせつ)
46 手根骨の骨折 舟状骨骨折 (しゅうじょうこつこっせつ)
47 手根骨の骨折 月状骨脱臼 (げつじょうこつだっきゅう)
48 手根骨の骨折 .舟状・月状骨間解離 (しゅうじょう・げつじょうこつかんかいり)
49 手根骨の骨折 三角・月状骨間解離 (さんかく・げつじょうこつかんかいり)
50 キーンベック病=月状骨軟化症 (げつじょうこつなんかしょう)
51 手根骨の骨折 手根不安定症 (しゅこんふあんていしょう)
52 手根骨骨折のまとめ
53 手根骨の骨折 TFCC損傷
54 手指の各関節の側副靭帯損傷
55 手指伸筋腱損傷 (しんきんけんそんしょう)
56 手指の伸筋腱脱臼 (しんきんけんだっきゅう)
57 手指の屈筋腱損傷 (くっきんけんそんしょう)
58 手指の脱臼と骨折 中手骨頚部骨折 (ちゅうしゅこつけいぶこっせつ)
59 手指の脱臼と骨折 中手骨基底部骨折 (ちゅうしゅこつきていぶこっせつ)
60 手指の脱臼と骨折 中手骨骨幹部骨折 (ちゅうしゅこつこつかんぶこっせつ)
61 手指の脱臼と骨折 ボクサー骨折
62 手指の脱臼と骨折 PIP関節脱臼骨折
63 手指の脱臼と骨折 マレットフィンガー=槌指
64 手指の脱臼と骨折 母指CM関節脱臼
65 クロスフィンガー
66 突き指のいろいろ
67 手指の靱帯・腱損傷および骨折における後遺障害のポイント
68 手指の欠損について

キーンベック病は、月状骨無腐性壊死・月状骨軟化症とも呼ばれており、外傷後だけでなく、振動ドリル等で手を酷使する人、大工、農林漁業などで、手をよく使う人にも発症しています。
月状骨は、周囲が軟骨に囲まれており、血行に乏しく、容易に壊死するのです。
交通事故では、前腕骨、橈骨、尺骨の脱臼や骨折により、2つの骨のバランスが崩れ、手関節内で月状骨にかかる圧力が強くなり、二次的障害として発症しています。
また、月状骨の不顕性骨折を見落としたことで、キーンベック病を発症することも予想されます。
症状は、手首の疼痛、痛みを原因とした手関節の可動域制限、握力の低下です。
月状骨が潰れる外傷で、初期では、血行不良により、XPやMRIで月状骨の輝度変化が出現します。
末期には、無腐性壊死となり、潰れて扁平化します
軽症では、サポーターの装用や、手を休ませることで、改善が得られます。
重症例では、橈骨、尺骨のバランスを整える骨切り術が行われています。

末期の月状骨は、潰れて扁平化します

キーンベック病=月状骨軟化症における後遺障害のポイント

1)専門医が適切に対処したときは、後遺障害を残すことなく、改善が得られています。
2)XP検査は実施したが、MRIの撮影を怠り、月状骨の不顕性骨折を見落としてしまうことが、
治療現場で多く見られます。
よって、ほとんどで、後遺障害は残ってしまいます。
3)多くは、手関節の可動域制限で12級6号が認定されています。
手関節の可動域が2分の1以下に制限されたときは、10級10号の認定を受けてから、骨切り術を検討することになります。

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