9 騒音性難聴 (そうおんせいなんちょう)
1 耳の構造
2 外耳の外傷・耳介血腫
3 耳介裂創
4 耳垂裂
5 耳鳴り
6 外傷性鼓膜穿孔
7 側頭骨骨折
8 頭蓋底骨折
9 騒音性難聴
長時間の連続する音響暴露が有毛細胞を障害します。
120dB ジェット機のエンジン、苦痛の限界、痛覚域
100dB 電車のガード下
80dB 騒々しい工場、大声
60dB 普通の会話
30dB ささやき声
0dB 最小可聴音
※60dB以下が望ましい環境とされ、100dB以上の音の長時間暴露は、難聴発生の危険性が高まる。
交通事故外傷ではありませんが、労災保険では職業病として、後遺障害の対象となっています。
騒音の中に長時間晒されることで、内耳の蝸牛に存在する有毛細胞が損傷を受け、感音性難聴をきたすものを騒音性難聴と呼ばれています。
有毛細胞は、損傷すると再生することがなく、治療により難聴が改善することはありません。
騒音性難聴は、85dB以上の騒音を1日に8時間以上、通算で10年間聴き続けると難聴が生じることがあるとされています。
発症の初期では、自覚症のないことが普通で、会社の健康診断における聴力検査で4000Hzの聴力が低下していることを指摘され、初めて、気がつくことになります。
進行すると他の周波数も聞こえにくくなり、難聴を自覚し、耳鳴を伴うこともあります。
治療で改善は得られませんが、騒音を聞かなくなったときから、難聴が進行することはありません。
したがって、騒音性難聴は、なるべく早期に発見、以後はなるべく騒音の曝露に晒されないように、耳栓をするなど、工夫していく必要があります。
騒音性難聴では、殆どで、両耳が同程度の難聴となります。
騒音性難聴における後遺障害のポイント
1)騒音性難聴を指摘されて以降は、毎年、耳鼻科で聴力検査を受けておくこと
労働安全衛生法で決められている職場の定期健診では、騒音性難聴を早期に発見する目的で、1000Hzと4000Hzの2つの周波数についての聴こえをチェックしています。
騒音性難聴の初期では、4000Hz付近の聴力が低下しますが、この時点では自覚症状はありません。しかし、騒音性難聴は早期発見が重要なので、職場の健康診断で異常を指摘されたときには、早期に耳鼻咽喉科を受診し、毎年、必ず、耳鼻咽喉科を受診して、正式な聴力検査を受けます。