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まぶたの中の涙腺から分泌された涙液が過剰となったときに、鼻腔へ排出される経路(涙道)が、人体には備えられています。
涙道は、涙点、涙小管、涙嚢、鼻涙管で構成されています。
眼に溜まった過剰な涙は、目頭にある吸入口(涙点)から吸収され、涙小管を経て眼窩下壁の窪み(涙嚢)に溜まり、そこから鼻涙管を経て鼻腔へ排出されているのです。

これらの経路が、外傷などで損傷を受けた状態を涙道損傷といいます。
放置すると、涙道は連続性が絶たれ、涙液の鼻腔への排出ができなくなり、涙は内眼角付近からこぼれ、頬を伝って落ちるようになります。この状態を流涙といいます。

涙液には眼球の乾燥防止と眼球や眼瞼結膜の清浄化する作用があります。
流涙が生じた側では、涙液の正常な排出機能が無くなり、結膜の清浄化が損なわれ、眼脂が溜まりやすくなり、結膜炎を起こしやすくなります。
結膜炎が生じると、涙腺は一層刺激され、さらに涙液を分泌するようになります。
涙道の閉塞した眼は、結膜炎で赤くなり、常に涙を流しながら生活をしなければなりません。

これらの損傷は、主として、涙小管と鼻涙管で生じます。
涙小管断裂は、交通事故で目頭を深く切ったときに発生します。

断裂した管の遠位・近位端を縫合して管を再建し、管内へシリコン製のチューブを挿入して管の癒着や狭窄の防止をはかります。
挿入期間は損傷の程度によって異なりますが、短くて2週間、長ければ6カ月以上のこともあります。
最初の治療で、管の損傷が見逃されてしまうと、管の再建は非常に困難となります。
初期治療での管の再建が大切です。

鼻涙管損傷は鼻涙管が通っている上顎骨が骨折し、骨片がずれることで、管が閉塞した状態を言います。
鼻涙管損傷では、上顎骨を適切に整復すれば管も再開通しますが、不適切な整復では閉塞したままとなり、このときは、涙嚢から鼻腔へ直接涙が排出する経路を設ける、涙嚢鼻腔吻合術が行われます。

なお、損傷が大きく、オペができないことも発生しています。

涙小管断裂における後遺障害のポイント

涙小管断裂により、1眼に常に流涙が認められるものは14級相当が認定されることが予想されます。
なお、涙小管断裂による流涙が両眼に残存しているときは12級相当が認定されることが予想されます。