45 手根骨の骨折 有頭骨骨折(ゆうとうこつこっせつ)

42 手の仕組み
43 右手首の腱鞘炎と前腕部の炎症
44 手根骨の骨折 有鈎骨骨折 (ゆうこうこつこっせつ)
45 手根骨の骨折 有頭骨骨折(ゆうとうこつこっせつ)
46 手根骨の骨折 舟状骨骨折 (しゅうじょうこつこっせつ)
47 手根骨の骨折 月状骨脱臼 (げつじょうこつだっきゅう)
48 手根骨の骨折 .舟状・月状骨間解離 (しゅうじょう・げつじょうこつかんかいり)
49 手根骨の骨折 三角・月状骨間解離 (さんかく・げつじょうこつかんかいり)
50 キーンベック病=月状骨軟化症 (げつじょうこつなんかしょう)
51 手根骨の骨折 手根不安定症 (しゅこんふあんていしょう)
52 手根骨骨折のまとめ
53 手根骨の骨折 TFCC損傷
54 手指の各関節の側副靭帯損傷
55 手指伸筋腱損傷 (しんきんけんそんしょう)
56 手指の伸筋腱脱臼 (しんきんけんだっきゅう)
57 手指の屈筋腱損傷 (くっきんけんそんしょう)
58 手指の脱臼と骨折 中手骨頚部骨折 (ちゅうしゅこつけいぶこっせつ)
59 手指の脱臼と骨折 中手骨基底部骨折 (ちゅうしゅこつきていぶこっせつ)
60 手指の脱臼と骨折 中手骨骨幹部骨折 (ちゅうしゅこつこつかんぶこっせつ)
61 手指の脱臼と骨折 ボクサー骨折
62 手指の脱臼と骨折 PIP関節脱臼骨折
63 手指の脱臼と骨折 マレットフィンガー=槌指
64 手指の脱臼と骨折 母指CM関節脱臼
65 クロスフィンガー
66 突き指のいろいろ
67 手指の靱帯・腱損傷および骨折における後遺障害のポイント
68 手指の欠損について

 

有頭骨とは、中指の中手骨の真下にある手根骨の1つで、右手では有鈎骨の左横に位置しています。
交通事故では、転倒した際に手をつく、あるいは、直接の打撲で骨折することが多く、自転車やバイクの事故で多く損傷する場所です。
有頭骨の骨折では、手首の可動域制限と運動時の疼痛を残すことが予想されます。

有頭骨骨折における後遺障害のポイント

1)早期に、画像で立証された確定診断を受けること
手根骨は8つの骨で構成されていますが、交通事故では、舟状骨、月状骨、三角骨、豆状骨、有鉤骨、有頭骨で骨折が多発しています。
これらの複数が骨折・脱臼していることもあります。
被害者の方から激痛の訴えがなされることは少なく、XPでは確認しにくいことが特徴です。
訴えに乏しく、初診のXPで確認されないまま、3、4ヶ月が経過すると、その後に骨折が発見されても、損害保険料算出機構自賠責調査事務所は本件事故との因果関係を疑い、これを被害者側で立証できないときは、骨折が認められているのに、非該当となってしまいます。
見逃さないようにするには、早期(受傷2ヶ月以内)に、手の外科専門医を探し出して、受診しなければなりません。
専門医であれば、CT、MRIを駆使し、手根骨の骨折、脱臼の確定診断が可能です。
日本手外科学会のホームページでは、全国の専門医が紹介されています。
http://www.jssh.or.jp/
2)近年、手根骨の骨折に対しては、積極的に手術による固定が実施されています。
しかし、骨折の形状、合併症状から、手術でどこまで改善するのかを検証しておく必要があります。
固定術を受けた結果、手関節の可動域が背屈60°掌屈80°となれば、運動制限による支障が認められるにもかかわらず、可動域制限が4分の3を超えているため、機能障害としての12級6号は非該当になり、骨折部の変形癒合を立証し、痛みを訴えても、神経症状で14級9号が認められればよい方です。

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